近年、ECサイト構築サービスが増加しており、
商品販売のプラットフォームをECサイトにするか
Webカタログにするか迷う企業も多いことでしょう。
「カタログをもっと活用する方法が無い」
「ECサイトを導入した競合会社に得意先をとられてしまった」
「ECサイトとWebカタログ、結局どっちがいいのだろう」
このような悩みを持っている企業は多いと思います。
結論を言ってしまうとWebカタログの導入ではなく、
ECサイトを導入する方がおすすめです。
WEBカタログ・ECサイトどちらの導入にせよ
導入目的は売上を上げることかと思います。
そのため購入機能が無いWebカタログを導入しても意味がありません。
本記事では、ECサイトとカタログの違いや
それぞれのメリットを比較しながらその理由を紹介します。
ECサイトとは、インターネット上で商品を販売するためのウェブサイトのことです。
顧客は商品を選択し、カートに入れてから購入を行うことができます。
支払い方法や配送方法も選択でき、オンライン上で完結するため、
24時間いつでも商品を購入することができます。
中でもBtoB向けECサイトの市場規模は年々拡大しており、
経済産業省が公表している令和3年度「電子商取引に関する市場調査」では、
日本国内EC市場規模(BtoB)は前年比11.3%増の372.7兆円となっています。
引用:『経済産業省/令和3年度電子商取引に関する市場調査』
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005-h.pdf
Webカタログとは冊子カタログを電子化したものをいいます。
他にも、電子カタログやデジタルカタログといった言い方もあり、
パソコンやタブレット、スマートフォンから簡単に閲覧できます。
電子書籍のようにページをめくりながら見れるのが特徴です。
ダウンロードをせずにWeb上で閲覧できるのが利点といえるでしょう。
ECサイトとWebカタログのメリットについて表にまとめました。
それぞれのメリットを詳しく解説します。
ECサイト | Webカタログ | |
---|---|---|
メリット |
・市場拡大しやすい |
・導入のコストと期間が少ない ・販売に直結しない商品も扱える ・顧客とのコミュニケーションを活性化 |
デメリット | ・高額費用や長期の開発期間が必要 ・特注品などの商品は扱いにくい ・購入成立までコミュニケーションがない |
・市場拡大しにくい ・商品情報の更新に時間がかかる ・注文処理に手間がかかる |
カタログをECサイト化するメリットについて詳しく解説します。
現代では多くのユーザーがAmazonのような
ネットショッピングに慣れ親しんでいますので、
オンライン上で商品を販売することが市場拡大に繋がります。
一方Webカタログでは、ECサイトのように手軽に利用できる利便性が無いため、
新規利用者の購買意欲を減退させてしまう可能性があります。
ECサイトでは商品情報の更新がスムーズに行えるため、
最新情報を提供することができます。
一方WEBカタログでは、商品情報の更新に時間がかかり、
古い情報を提供してしまう可能性があります。
ECサイトでは注文処理が自動化されるため人的ミスを防ぐことができます。
一方Webカタログでは、購入が成立するまでの手順が複雑であり、
顧客の購買意欲を減退させる可能性があります。
Webカタログ化するメリットについて詳しく解説します。
Webカタログは、既に紙カタログがある場合には、
その情報をデジタル化するだけで導入できるため、
導入の手間やコストを抑えることができます。
一方ECサイトを導入するには、
WEBサイトの構築や期間システムの連携が必要なため、
高額な構築費や長期間にわたる開発期間が必要です。
Webカタログは顧客ごとの特注品や無料お試しセットなど
購入完了まで直結しにくい商品も扱いやすいため、
幅広い商品を顧客に提供することができます。
一方、ECサイトはあくまで購入完了まで誘導するサイトであり、
柔軟性が高い商品の購入には向いていません。
Webカタログでは顧客からの問い合わせにて柔軟に対応することができ、
顧客とのコミュニケーションを活性化できます。
電話で受付をした際に、その他関連商品を直接おすすめできたり、
値段交渉に直接受け答えすることができます。
一方ECサイトでは、Webサイト上で完結してしまうため
顧客とのコミュニケーションはほとんど発生しません。
冒頭でもお伝えしたように、
冊子カタログを活用する理由は売上を上げることのはずです。
市場拡大性や注文処理のしやすさを考えると、
圧倒的にECサイトの方がメリットは大きいと言えます。
とはいえ、導入コストが高いといったECサイトのデメリットも
無視できない担当者様もいるかと思いますので、
両方のメリットを兼ね備えた“カタログEC”がおすすめです。
カタログECについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
カタログECとは?ECサイトとの違いや機能を紹介
ECサイトとWebカタログにはそれぞれに特徴があります。
まずはそれぞれの違いをこちらの表にまとめました。
項目 | Web・電子カタログ | ECサイト | |
---|---|---|---|
PDF版 | Web版 | ||
導入コスト/導入期間 | ◎ | ◯ | △ |
閲覧性 | △ | ◯ | △ |
操作性 | △ | △ | ◯ |
情報量 | △ | ◎ | ◎ |
受発注業務の効率 | ✕ | ◯ | ◎ |
個別カスタマイズ対応 | ✕ | ✕ | ◎ |
SNSとの相性 | ✕ | △ | ◎ |
まずはWebカタログにも大きく分けて2種類あるため、
それぞれの特徴についてご紹介します。
Webカタログと聞いて想像されやすいのがPDF版であり、
3種類の中で最も導入されているタイプです。
冊子をPDF化したものをデジタルカタログや電子カタログとしてWeb上で閲覧できます。
そのため、場合によっては「Adobe Acrobat Reader」などのPDF閲覧ソフトが必要です。
また、デバイスごとに最適化されないケースが多いため、
PCで問題なく閲覧できても、スマホでは見にくいこともあります。
PDF版のカタログ例についてはこちら。
引用:アイホン株式会社『総合カタログ2023-2025』
https://www.aiphone.co.jp/data/catalog/business/general-catalog
PDF版のカタログに、クリックできるリンクテキストを加える機能、
付箋を付けておく機能、キーワード検索機能などを加えたものが、
Web版のカタログです。
クリックできるテキストのリンク先に問い合わせページを設定したり、
購入窓口になっている電話番号をクリックできるようにすれば、
購入までの導線を設置することも可能です。
Web版のカタログ例についてはこちら。
引用:パナソニックホールディングス『ハウジング商品連絡』
https://esctlg.panasonic.biz/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?
次にECサイトとWebカタログの違いを解説します。
ここでは、先程ご紹介したPDF版のカタログと
ECサイトの特徴を比較いたします。
WebカタログがECサイトより特に優れているのが閲覧性です。
カタログ形式であれば、型番違いの商品などを一覧で見れたり、
同カテゴリ内の商品を比較して見たいときに便利です。
ECサイトは直感的に操作ができるものの、
見たい商品を選択し商品情報やお気に入りボタンを探して押し進めていく必要があります。
冊子カタログを電子化しただけの電子カタログは、
掲載量に限界のある冊子カタログと同じ情報量なので
どの商品を載せるか取捨選択する必要があります。
一方でECサイトであれば登録する商品数に限度がないため、
売れ筋の人気商品からニッチな商品まで幅広く販売可能です。
ECサイトは24時間365日注文を受けられます。
ページ内に設定されている商品申し込みフォームや買い物カゴ機能により、
電話やFAXを使わずに受発注することも可能です。
何度も商品を探すことがなくなるため、
顧客満足度の向上にもつながります。
特にBtoB事業では「お得意様」と取引をすることが多いため、
顧客ごとに個別対応が求められます。
例えば、お得意様を対象とした限定商品の案内や個別価格設定です。
BtoB向けのECサイトであれば、不特定多数が閲覧可能なオープン型の他に、
特定の企業しか閲覧できないセミクローズ型やクローズ型といった販売管理方法があります。
Webカタログの場合は、閲覧可能な商品の指定ができないため個別対応ができません。
新規顧客を獲得する上で活用するのがSNS(Facebook、Instgramなど)です。
SNSは若者を中心にシニア層まで積極的に使用しているため、
会社の宣伝や商品営業には欠かせないでしょう。
自社の商品が認知されるまでには時間がかかりますが
SNSを開設することで自社サイトに誘導できます。
ECサイトであれば自社とお得意様双方のサイトに
商品やサイトのリンクを掲載することで流入経路の増加が見込めます。
ここまでWebカタログとECサイトの違いとともに、
WebカタログよりECサイトがおすすめな理由を解説しました。
冊子カタログを活用する目的は売上を上げることなので、
購入機能が備わっていないWebカタログを導入しても意味がありません。
どうしてもカタログの運用は維持したいという方以外には
Web化するよりもECサイト化することをおすすめします。
また、両方のメリットを兼ね備えた「カタログEC」の導入もおすすめです。
当サイトではECサイト構築サービスを徹底比較しておりますので参考にして下さい。